結論ですが
妊娠中も性行為をしても基本的に問題ないが、いくつか注意すべきポイントがあります。
コンドームを使いましょう
妊娠中の性行為にはコンドームを使いましょう。
ふつうは避妊目的につかうコンドームですが、
「なぜ妊娠中にコンドームをつかうの?」と疑問に思うかと思います。
なぜコンドームを使うかというと、精液の成分による子宮収縮を防いだり、感染を防ぐためです。
精液中には「プロスタグランジン」という子宮の収縮をおこす成分が含まれています。また、腟内は酸性に保たれていますが、精液はやや弱アルカリ性です。そのpH変化の刺激によって子宮収縮につながることがあります。
子宮収縮から「流産」や「早産」につながる可能性があるので注意が必要です。
また、コンドームを使うことで、性感染症などの感染症をふせぐ効果もあります。
ぜひとも、妊娠中の性行為にはコンドームを使うようにしましょう。
清潔にしてからおこないましょう
入浴やシャワーなどで清潔にしてから、性行為をおこないましょう。
妊娠中でなくてもそうですが、体を清潔にすることが感染予防の観点から重要です。
万が一、腟内に感染症を起こした場合は、おりもの量が多くなる、臭いきつくなるなどの症状のほかに、「流産」や「早産」につながる可能性があるので注意が必要です。
ぜひとも、性行為の前には入浴やシャワーなどで清潔にしましょう。
乳頭刺激は避けましょう
「乳頭」(ちくび)の刺激によって子宮収縮につながることがあり、「流産」や「早産」につながる可能性があるので注意が必要です。
乳頭の刺激によって、子宮の収縮をおこす「オキシトシン」というホルモンが分泌されます。ちなみに、産後に赤ちゃんの授乳をするときにも分泌されるホルモンです。産後の子宮がもとの大きさにもどって産後の回復を促します。
ぜひとも、性行為では乳頭刺激は避けましょう。
無理な体勢は避けましょう
妊娠中の性行為では無理な体勢は避けましょう。
とくに注意が必要なのがおなかへのダメージであり、おなかが圧迫される体勢は避けましょう。
おなかへのダメージが加わると、胎盤が剥がれてしまったり(外傷性胎盤剥離)、赤ちゃんの具合が悪くなってしまうことがあります。さらに「流産」や「早産」につながる可能性もあるため注意しましょう。
また、体調が悪い日は、無理しないことも大切です。赤ちゃんだけでなく、ご自身の体もいたわりましょう。
安静の指示がある時は性行為を控えましょう。
医師から安静にしてくださいと言われた場合は性行為を控えましょう。
たとえば、「切迫流産」や「切迫早産」と診断された場合は、性行為ふくめ体をうごかすことをきっかけに悪化してしまう可能性があります。
また、こんな症状がある場合には性行為を控えましょう。
たとえば、「性器出血」「破水感」「おなかの痛み」「おなかのハル感じ」などです。これらの症状がある場合には、「切迫流産」や「切迫早産」の可能性や、注意が必要な疾患がかくれているかもしれません。性行為は控えて、かならず受診が必要かどうかかかりつけに相談しましょう。