タイミング法をおこなう

タイミング法とは?

タイミング法とは、妊娠するために「タイミング」をあわせて「性交渉」をおこなう方法のことです。

妊娠が成立するためには、性交渉をおこなって、「卵子」と「精子」が受精する必要があります。そして、「卵子」と「精子」が受精して出来た「受精卵」は子宮の中に着床して妊娠が成立します。

つまり、妊娠するためには「卵子」と「精子」が受精できるような「タイミング」にあわせて「性交渉」をおこなう必要があるのです。

タイミング法のやり方は?

タイミング法のやり方は、妊娠しやすい「排卵日の2日前」から「排卵日の前日」にかけての時期に「性交渉」をおこなうといいです。

妊娠するためには「卵子」と「精子」が受精できるような「タイミング」にあわせて「性交渉」をおこなう必要があります。
なお、精子の寿命は「約3日間」、排卵後の卵子の寿命は「約1日間」と言われていますが、「精子の寿命」と「排卵後の卵子の寿命」を考えて性交渉を行う必要があります。

タイミング法の時期について

「排卵日の2日前」から「排卵日の前日」にかけてのタイミングに性行為をおこないましょう。

「排卵日の5日前」から「排卵日の当日」までの期間を「fertile window」と呼ばれます。その期間に性交渉をすると妊娠する可能性があります。
反対に言うと、「排卵日の6日前」以前や、「排卵日の翌日」以降は、妊娠する可能性は極めて低くなります。

「fertile window」の中でも、とくに「排卵日の2日前」から「排卵日の前日」にかけてのタイミングが最も妊娠しやすい時期になるので、そこでタイミングをとるようにしましょう。

排卵の時期をつかむために

基礎体温

排卵時期をつかむために「基礎体温」を測定しましょう。

基礎体温をつけていくと、はじめは体温が低めの「低温相」、次に体温が高めの「高温相」の2相性の変化になります。
低温期から高温相になる体温が上がってくる直前あたりが「排卵のタイミング」であると分かります。

これは、排卵後に「黄体ホルモン」(体温を上昇させるホルモン)が分泌されるため、排卵後に基礎体温が上がるためです。

基礎体温の測定は、自分で出来る、体の負担がない検査なのでオススメです。

LHサージ(排卵チェッカー)

排卵時期をつかむために「LHサージ」を排卵チェッカーで確認しましょう。

LHというホルモンが急に分泌される「LHサージ」が起こると、その「約24時間後」に排卵が起こります。
市販の排卵チェッカー(排卵日予測検査薬)では尿中「LH」を測定することができ、自宅でも排卵日を予測することができます。

子宮頸管粘液

排卵時期をつかむために「子宮頸管粘液」を確認します。

産婦人科の診察で、子宮の入り口付近の粘液である「子宮頸管粘液」を採取して排卵が近いか判断します。

「量」:量が多くなる
「牽糸性」:糸をひきやすくなる
「性状」:ネバネバからサラサラになる
「結晶」:乾燥させて顕微鏡でみると結晶をつくる

という変化をすると、排卵時期が近いと判断します。

子宮内膜の厚さ

排卵時期をつかむために「子宮内膜の厚さ」を確認します。

月経周期によって子宮内膜の厚さは変化しますが、エコーで子宮内膜を観察して「3本線」「木の葉状」にみえたら、排卵が近いと判断します。

なお、排卵後は黄体ホルモンの影響を受けて、子宮内膜は赤ちゃんが育ちやすいようにフカフカのベッドのようになっていきます。
ちなみに、妊娠しなければ、厚くフカフカになった子宮内膜は剥がれおちて「月経」がおこります。

卵胞の大きさ

排卵時期をつかむために「卵胞の大きさ」を測定します。

エコー検査で、卵巣の中の「卵胞」(中には卵が含まれている)の大きさをはかり、「20mmくらい」になると、排卵が近いと判断します。

ちなみに、1回の月経周期に対して、原則1つの卵胞が大きく育っていきます。
この大きくなる卵胞のことを「主席卵胞」といって、その大きさをはかります。

主席卵胞の大きさは「12mmくらい」から開始し、1日「約2mm」ずつ大きくなり、個人差はありますが「18mm~22mm」の大きさになると排卵されます。

タイミング法の実際

タイミング法の実際の妊娠率

毎日の性交で「37%」
隔日で「33%」
週1回で「15%」

研究報告では、妊娠の可能性は1回の月経周期当たり、毎日の性交で「37%」、隔日で「33%」、週1回で「15%」というデータがあります。

可能であれば、毎日の性行為を行うことがいいですが、実際には厳しいかと思います。

3日間連続がオススメ

「排卵日の2日前」「排卵日の前日」「排卵日当日」の3日間連続、タイミングをとることがオススメです。

妊娠率が高まる時期である「排卵日の2日前」「排卵日の前日」と、「排卵日の当日」(排卵のズレなどを考慮して)の3日間連続でタイミングをとりましょう。
追加で性行為ができるのであれば、少しでも確率を上げるために行うといいでしょう。

しかし、3日間連続は実際困難

「排卵日の2日前」「排卵日の前日」「排卵日当日」の3日間連続、タイミングをとることが理想的ですが、実際には「3日間連続」で性交渉するのは、厳しいかと思います。

近年、共働き世帯が多く、お互いの仕事が忙しくて性交渉のタイミングが合わなかったり。
晩婚化の影響もあり、夜の夫婦生活の体力が低下しており、そもそも普段から性交渉の頻度が少ないケースも多いのです。

なお、「3日間連続」の性交渉によるプレッシャーで、男性側が「勃起不全」「射精困難」「性交恐怖症」などにつながるケースもあります。

あまり気負いをせず、「3日連続」でなくても、妊娠しやすい時期に「1回」でもタイミングが合えば、妊娠することは可能です。
「2回」「3回」と追加で出来ればラッキーくらいの心持ちがちょうどいいのかと個人的に思います。

禁欲期間は必要ないです

タイミング法において、妊娠を目的とした場合、禁欲期間は必要ないです。

繰り返しですが、妊娠の可能性は毎日の性交で「37%」、隔日で「33%」、週1回で「15%」というデータがあります。
性行為の頻度が多ければ多いほど妊娠率は高まります。
妊娠するためには、「禁欲」でなく「性行為で射精する回数」を増やすことが大切です。

禁欲はなぜあるのか?

禁欲によって、精液の量・精子の数・運動率が改善するためです。

とくに「人工授精」の時に、以前は禁欲期間を設けることがすすめられていました。
禁欲によって精液の量・精子の数・運動率が改善するため、人工授精の前に3-4日間程度の「禁欲期間」を設けることがすすめられていました。

しかし、7日間以上の長すぎる禁欲によって、精液の量・精子の数が一見増えるようにみえますが、精子の質が極端に低下してしまう可能性があるため注意が必要です。

禁欲vs頻繁な性行為

妊娠率を上げるためには「禁欲」でなく「性行為で射精する回数」を増やすことが大切です。

「禁欲をして人工授精をおこなった群」と「人工授精とその前後に性行為をおこなった群」の比較研究があります。その結果、「禁欲をして人工授精をおこなった群」は「人工授精とその前後に性行為をおこなった群」に比べて、高速運動する質の高い精子の数は良好でしたが、妊娠率は低かったです。

つまり、妊娠率を上げるためには「禁欲」でなく「性行為で射精する回数」を増やすことが大切だと考えられます。

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